設計者からのコメント株式会社サンハウス
茨城県水戸市の住宅街に建つ。前面道路側の前庭はコモンスペースとし、木々を植樹してベンチを設け、近隣に憩いの場を提供。周辺環境に配慮するだけでなく、窓の数や位置を検討して外部環境と室内が呼応するよう工夫している。木や石、珪藻土といった天然の素材を用いることで、風土に根ざした住まいをつくり出した。
水戸の冬は気温がマイナス5℃まで下がり、平均気温は新潟市とほぼ同じだが、平均日射熱量は高い。そのメリットを生かすため、窓を南側に集約し、ダイニングの土間床は日射取得による蓄熱が出来るように計画。厳寒期にはその土間床に温水パイピングした配管に温水を送って暖房を行う。太陽光発電による電気を即時利用し、温水を蓄熱槽に送り込むなど、電力会社からの送電に頼らない自立型を目指している。また、住まいの生涯コストを考えて、この家では温熱性能のほか耐震等級3、耐風等級2、省令準耐火をクリア。意匠・構造・温熱の三位一体の設計がなされている。