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    2016-06-10

    PHJ東北支部勉強会。

    30名を超えるご参加を頂き、無事終了しました。

    講師の森さん・西方先生・平山社長とご参加頂いた皆様大変ありがとうございました。

     

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    会場の見学では、ドイツ出身の彦根 アンドレア氏が設計したピーエスIDIC(2008年度JIA環境建築賞 最優秀賞)の素晴らしい建物を見学し、自然と一体となった設計手法と温熱環境について説明がありました。

     

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    建物の地下は外の地下と通じており、4大陸の植物が植えられている。当初、温度を一定にしたところ、うまく植物が育たなかったが、夕方から温度を下げた事でうまく植物が成長した事から、植物では昼夜の温度差が必要である事が分かった。

     

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    ゲストハウスでは暖房と冷房兼用のHR-Cが設置してあり、部屋の中央に配置されている。暖房の基本では、性能の低い開口部の直下に暖房を配置する事が体感温度を向上させる手法の一つであるが、高性能住宅になれば、部屋の暖房負荷は小さくなるので、部屋に対して放熱器を「長く細く」配置しても効果的である事や、部屋の暖房負荷より大きい出力の放熱器を部屋の中央に配置して相殺させる手法について説明があった。

     

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    ベンチ下にヒーターなど珍しいものを沢山あった。

     

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    ピーエス工業の平山社長からは、温熱環境、湿度、放熱器のお話。

    東北では放熱器として有名なピーエスさんですが、美術館や工場などの工業用の加湿器も主力商品であり、設置した事例等の紹介があった。放熱器の設置事例では、わずかな送水温度の調整で体感温度が良好になった事例の紹介があった。

     

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    森代表からは、「ヒートブリッチを考える」と題し、ヒートブリッチの基本的な説明からWiniso2Dを使っての熱解析についてお話頂いた。

    西方先生からの質問で、地域の行政機関によって基礎のスカート断熱は認めてもらえない事例があったが、本当に効果が無いか、森代表に熱解析した結果を説明して頂いた。

    結果としては、規定に沿って根彫りを深くしているが、断熱ラインが一部切れている仕様より、基礎外周部の根彫りを浅くしても断熱ライン区を切らさず、スカート断熱を採用した方が大幅に熱損失が小さかった。さらに、森代表が提案した基礎外周部に発泡ガラス砕石を敷き詰める手法ではさらに損失が小さくなった。

     

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    その後、3名の講師陣から暖房に関する意見交換をして頂いた。

    参加者からも、3人の先生方から、それぞれ違う角度のご意見を聞けて参考になったと好評でした。

     

    今回、熱橋をテーマに熱解析のソフトで色々なパターンを森さんからシミュレーションしてもらいましたが、どうして熱解析が必要かという事を基礎断熱で例えみたいと思います。

    日本などで行われている線熱貫流率の計算では、一般的なモデルを2パターンで計算しますが、基礎の形や断熱の入れ方がモデルと違ってもどちらかに当てはめて計算します。 計算では計算値を求めて終わるのですが、それを実際の現場で施工した時に断熱ラインが繋がっていない場合冷たい部位が出来て結露を起こす危険性があります。 パッシブハウスの認定ではそのような施工は認められないため、断熱施工と同じモデルで熱解析を行い、その結果をパッシブハウス協会の認定ソフトPHPPに還元するルールとなっています。当然ですが、結露するような断熱施工のモデルでは大きなマイナス判定になり、パッシブハウス協会から指摘を受ける事になります。 熱解析は日本ではなじみが無いかもしれませんが、結露を起こさないように施工する事は、省エネ住宅では基本的な事であり、日本でもごく一般的な住宅にも活用したい手法だと思いました。

     

イーシステム株式会社